【サブタイトル】 |
ー公民連携の金融入門ー |
【講義の目的・内容】 |
●公民連携は、自治体を中心とする公共部門の金融活動が主な対象であり、とりわけ、公的部門における資金調達問題が大きな柱の1つになっている。●このことは、同時に民間企業がPPPに関与する場合、ファイナンスの能力が事業遂行の可否・是非を決定的に左右することを示唆する。●この講義は半学期に集中して実施する。
●前半では、金融論の基本的な理解を確実に高めることをめざす。後半では、こうした基礎的な理解にもとづいて、公共部門での金融活動の固有の事例として、PFIや地方債市場をとりあげて、その基本的な構造、仕組み、そして、特有の問題点などを検討する。このような授業を通じて、PFIに代表される公民連携の金融の理解と習熟をめざす。 最後に、演習問題を実施(下記:「スケジュール」の覧を参照) |
【学修到達目標】 |
公民連携の総論など、修士論文、特定課題研究の執筆に耐える、使えるだけの金融に関する知識を習得すること。 |
【講義スケジュール】 |
第1回目に詳しい解説を行うが、基本的には下に述べるテキストにもとづいて授業を行う。
●大きい流れは以下のとおり。 第1回 決済とは何か? 2回 決済と通貨について 3回 決済システムの構造分析 4回 金融仲介とは何か 5回 金融仲介とマクロ経済構造 6回 融資のメカニズム:間接金融を中心にして 7回 金融取引と情報の非対称性 8回 金融とリスク 9回 企業金融とはなにか 10回 社債と株式という商品の特性 11回 直接金融の仕組み:間接金融との対比で整理すると 12回 PFIと地方債の市場とその仕組み(ただし、変更の可能性あり) 13回 演習問題の実施と解説(1) 14回 演習問題の実施と解説(2) 15回 全体の総括
●最後の2、ないしは、3回は、仮想問題を予め与えるので、これを各人が分担して発表形式にて報告し、そのうえで、全体討議を予定する。これまで数年にわたって行ってきたが、極めて好評を得ている。できるだけ多くの時間と精力を受講生とともに注ぎたい。(「指導方法」参照ありたい) |
【指導方法】 |
テキストにもとづいて、授業を展開する。 その際、できるだけ最新の事例を引き合いにして、具体的・現実的な観点から、金融市場の生きた仕組みを学習することを最優先する方針。 ●授業時間の半分を、教師が解説を行い、後半はできるだけ対話、事例の参照、学生の特別報告などにあてることで双方向の授業をめざすこととする。 ●なお、最終回は、学期末の課題の受講生による報告と、これに対する全員の討論、教師による講評という作業にあてる。これまで好評を得ているもので、私の授業の「呼び物」と考えている。 |
【事前・事後学修】 |
毎回最低でも30分以上の予習・復習は必ず実行して欲しい。その際に、日々接する毎週、新聞・テレビやウェブで接する時事問題などの新しい話題や情報などを授業の場に持ち込んで、大学と現場とのフィードバックを高めるような心がけがとくに重要。 最後の2,3回は創作問題の演習を行うので、そうした機会を視野に入れて、日頃からさまざまな疑問や問題意識を蓄えて、総合的な議論の場につなげていただきたい。 |
【成績評価の方法・基準】 |
出席点、授業時間における質問・理解度。さらに、最終回での提出課題の報告、討論の状況などを、総合的に評価する方針。
具体的には、各回の出席・貢献度、期末レポートの内容を各50点で評価する。合計90点以上をS、80点以上をB、60点以上をC評価とする。 |
【受講要件】 |
とくになし |
【テキスト】 |
中北 徹『はじめて学ぶ金融論』(ちくま新書)720円
を使ってきたが、 これを改定作業中である。出版社は、「日本経済評論社」 秋学期実施の時点では間に合う予定。 |
【参考書】 |
適宜、授業の流れの中で、紹介する予定。
とくに、決済サービス、金融仲介(融資)、地方債など債券市場などは、なじみも深く、しかも、日進月歩をとげている分野:という事情から、カーレントな記事や小論文などを紹介・参考配布する一方、院生諸君から、周辺で思考中の事例・問題を提示していただき、議論の奥行きとscope を広げていきたい。 |
【関連分野・関連科目】 |
根本教授の授業はもとより、田渕教授ら他の主要授業などとは、ほぼ、すべて全般的に関連する基礎的な科目であると考えてよい。 |
【備考】 |
|
【添付ファイル1】 |
【添付ファイル2】 |
【添付ファイル3】 |
【リンク】 |
|