心理学実験演習A1
担当者 安藤 清志(アンドウ キヨシ)、北村 英哉(キタムラ ヒデヤ)、片山 美由紀(カタヤマ ミユキ)、山田 一成(ヤマダ カズナリ)、桐生 正幸(キリウ マサユキ)、角田 京子(スミダ キョウコ)、樫原 潤(カシハラ ジュン)
年度 2020授業コード 1550108001 科目ナンバリング
対象年次 1~4 授業形態 演習 実施形態
時間割 秋火2 開講キャンパス 白山 教室 非対面授業(白山の同時双方向型授業)
単位数 2 主たる使用言語 日本語 実務教員科目
授業科目区分
授業回数
受講対象学科
【サブタイトル】

心理学各分野の基礎的な実験,検査の実習(7種目)

【講義の目的・内容】

この授業では,心理学における重要な研究方法である「実験」や「検査」の基礎を体験を通して学ぶこと,およびその体験を客観的に報告するための「レポート」の書き方を学ぶことを目的とする。心理学の研究方法には特有の「論理」があり,それを理解するには説明を読んだり聞いたりするだけでは不十分で,自分で体験してみてはじめてわかることが非常に多い。そこで,社会心理学科の学生には,さまざまな心理学・社会心理学の研究成果を学ぶための基礎となるように,1年次の必修科目としてこの心理学実験演習Aが設定されている。社会心理学科のディプロマ・ポリシーの「科学的・実証的な取組みを自ら行える力」の基本を身につけることを目指す科目である。
授業では,心理学の各分野の基礎的な実験,検査を7種目実施する。それぞれについて,自らが実験者や実験参加者となってデータをとり,結果を分析してレポートにまとめるという作業を行う。レポートでは,「問題」,「方法」,「結果」,「考察」,「文献」などについて,その実験の知識がない人が読んでもわかる程度に,自分で調べたことを含めて詳しく書かれている必要がある。種目ごとのレポートの作成は,その種目を終えてから次の週までの宿題となるので,多くの学習時間を要する厳しい授業であることをあらかじめ認識しておいてほしい。

【学修到達目標】

(1) 心理学の研究方法である「実験」や「検査」について,実施のしかたを説明できる。
(2) 「実験」や「検査」のデータを分析し,結果を表示することができる。
(3) 実施した「実験」や「検査」について,レポートとして客観的に報告することができる。

【講義スケジュール】

「知覚」,「学習」,「記憶」,「対人行動」,「性格検査」,「作業検査」,「生理指標」という7つ種目について,配布されるテキストと教員の指示に従って実習を行い,レポートを作成して提出する。受講生は7つのクラスに分けられ,クラス単位で2回の授業で1つの種目の実習を行い,種目ごとにレポートを作成して次の授業時に提出する。

第1回:授業全体についての説明(各種目の概要とレポートの書き方の説明およびシラバスの確認)
第2回:第1種目の概要の説明と実験・検査の実施等  
第3回:第1種目のデータ処理と分析等
第4回:第1種目レポート提出,第2種目の概要の説明と実験・検査の実施等
第5回:第2種目のデータ処理と分析等
第6回:第2種目レポート提出,第3種目の概要の説明と実験・検査の実施等
第7回:第3種目のデータ処理と分析等
第8回:第3種目レポート提出,第4種目の概要の説明と実験・検査の実施等
第9回:第4種目のデータ処理と分析等
第10回:第4種目レポート提出,第5種目の概要の説明と実験・検査の実施等
第11回:第5種目のデータ処理と分析等
第12回:第5種目レポート提出,第6種目の概要の説明と実験・検査の実施等
第13回:第6種目のデータ処理と分析等
第14回:第6種目のレポート提出,第7種目の概要の説明と実験・検査の実施等
第15回:第7種目のデータ処理と分析等,全体のふり返り
第7種目のレポート提出方法については,別途指示する。

【指導方法】

 この実験演習は非対面を基本として行われ,7名の教員がそれぞれの種目を担当する。種目ごとにToyoNet-ACEを介してテキストや資料等を受け取り(種目によっては郵送),指示にしたがって各自で実験を実施する。問題の背景,実習の手順,データの分析方法,レポートの書き方などについても種目ごとに説明・指示を受け,作成したレポートはToyoNet-ACEから提出する。初回授業日(9月22日2時限)は全体説明会をWebex Meetings上で開催する予定なので,事前に配布される資料を読んだ上で参加すること。   欠席は原則として認めない。やむを得ない場合には,必ず担当教員に連絡して指示を受けること。また,1つの種目を終えた次の授業時にレポートを提出しなければならないので,授業時以外にも多くの学習時間を必要とすることを前提に生活のスケジュールを立ててほしい。

【事前・事後学修】

【事前学習】 種目はあらかじめ提示されるので,内容の理解のために授業前に予習しておくこと。また、配布されたテキストの該当部分をあらかじめ熟読し、疑問点や不明点をチェックしておくこと。それらの取組時間の目安は、60分間程度である。
【事後学習】 授業で実験や検査を実習した後、次の授業時までに、レポート(「問題」,「方法」,「結果」,「考察」,「文献」などの項目をたてて記述)を作成すること。その取組時間の目安は、5時間(ないしはそれ以上)である。

【成績評価の方法・基準】

 種目ごとに,授業での実習の実施,および提出されたレポートの内容に基づき、学修到達目標を達成しているかどうかを基準に評価を行う。すべての種目の実習を実施し,レポートを提出すること。全種目の評価の合計をもとにして,「東洋大学の成績評価基準」に準拠して科目の成績評価を行う。

【受講要件】

特に定めない。

【テキスト】

市販のものは特に指定しない。授業時に,種目ごとに教材としてのテキストを配布する。

【参考書】

心理学の研究方法やレポートの書き方に関しては以下のものが参考になる。
ブルース フィンドレイ(細江達郎, 細越久美子訳) 1996 『心理学 実験・研究レポートの書き方—学生のための初歩から卒論まで』 北大路書房 ¥1,430.
南風原朝和・市川伸一・下山晴彦(編) 2001 『心理学研究法入門—調査・実験から実践まで』 東京大学出版会 ¥3,080.
西口利文・松浦均(編) 2008 『心理学実験法・レポートの書き方』 ナカニシヤ出版 ¥ 2,420.
安藤清志・村田光二・沼崎誠(編)2017 『補訂新版 社会心理学研究入門』 東京大学出版会 ¥3,190.
杉本敏夫 2005 『心理学のためのレポート・卒業論文の書き方』 サイエンス社 ¥2,090.
高野陽太郎・岡隆(編) 2017 『補訂版 心理学研究法—心を見つめる科学のまなざし』 有斐閣 ¥2,420.

上記以外にも種目ごとに随時紹介する。

【関連分野・関連科目】

【備考】

【添付ファイル1】
【添付ファイル2】
【添付ファイル3】
【リンク】