アジアの文学
担当者 橋本 恭子(ハシモト キョウコ)
年度 2020授業コード 2010160001 科目ナンバリング
対象年次 1~4 授業形態 講義 実施形態
時間割 秋月6 開講キャンパス 白山 教室 非対面授業(白山の同時双方向型授業)
単位数 2 主たる使用言語 日本語 実務教員科目
授業科目区分
授業回数
受講対象学科
【サブタイトル】

女性が描く、女性を描く台湾文学

【講義の目的・内容】

近年、台湾の優れた小説が続々と日本語に訳され、紹介されるようになってきたが、一般の読者にはなかなか届いていないのが実情である。作品の背景となっている、歴史や社会的背景、特に、日本よりも一歩進んだ女性と性的マイノリティを取り巻く状況、およびそこから生まれる豊かな作品世界については、ほとんど知られていない。そこで本講義では、ジェンダーとセクシュアリティ(性のあり方)を切り口に、女性作家が描く女性をテーマにした作品と男性作家が描く女性をテーマにした作品を取り上げて、台湾女性の生き方や、彼女らが向き合っている問題を論じていく。これを鏡として、日本の女性の状況についても考えていきたい。授業では、毎回、翻訳されたものの中から代表的な作品を選び、時代や社会背景を解説しながら読んでいく。

【学修到達目標】

1.時代や社会の状況を理解した上で、文作品を深く読み込む方法を習得すること。
2.授業で取り上げた作品は積極的に読み、小説を読む習慣を身につけること。
3.台湾の女性の生き方や直面している課題を多様な角度から理解できるようになること。

【講義スケジュール】

遠隔授業(同時双方向型授業)による実施を基本として、時間割に定められた曜日・時限に行う。ただし、通信環境に問題があることも想定し、課題配信型授業(オンデマンド授業)も組み合わせて行う。
第1回 導入(授業の進め方、目的、教材、期末試験の説明)
第2回 台湾の歴史・社会・文学について
第3回 王白淵「偶像の家」を読む
第4回 李昂『自伝の小説』
第5回 台湾の戦後フェミズムについて
第6回 白先勇「ひと束の緑」
第7回 黄春明「さよなら・再見」と「海を見つめる日」
第8回 リカラッ・アウー「軍人村の母」他
第9回 林奕含『房思琪の初恋の楽園』
第10回 阮慶岳「曽満足」
第11回 台湾のLGBT運動と文学
第12回 邱妙津『ある鰐の手記』
第13回 李琴峰『独り舞』 と「太陽花たちの旅」
第14回 甘耀明『冬将軍が来た夏』
第15回 特別課題(第14回までの授業のまとめとToyonet-ACEでの期末テスト)
*順番を入れ替えることはある。

【指導方法】

1.非対面式(Webex Meetings)による講義形式、および課題配信(オンデマンド式)を組み合わせて進め、パワーポイント、またはレジュメを使用する。必要に応じて、視聴覚教材を使用することもある。
2.レジュメおよび動画化した授業をToyoNet-ACEにアップする。
3.作品の講読と解説が中心となるので、短編小説は全文を、中・長編小説は必要な箇所をToyoNet-ACEにアップする。
4.毎回、授業の最後に小テストによって、理解度を測る。
5.少テストの内容については、次の回の授業でにコメントする。
「授業の形態」 遠隔授業(Webex Meetings)と課題配信学習(オンデマンド型授業)を意味合わせた非対面式(メディア)授業で実施する。授業資料の配布および講義は、Toyonet-ACE・Webex MeetingsとPowerPintファイル・Wordファイル・PDFファイルを利用して行うので、これらに対応した端末およびインターネット環境が必要である。また、質疑応答はToyoNet-ACEにて行う。その際は、実名で投稿すること。また、Webex Meetingsを使う際は、リアルタイムでの意見交換を設ける。

【事前・事後学修】

1.講義レジュメや作品はあらかじめToyoNet-ACEにアップしておくので、各自熟読しておくこと。
2.参考文献を紹介するので、積極的に目を通すようにすること。
3.取り組み時間の目安は60分程度とする。
4.遠隔授業で問題があった場合は、課題配信授業で補っておくこと。

【成績評価の方法・基準】

1.小テスト(40%)               
2.期末試験1回(60%)
期末試験についての詳細は初回の授業で説明する。

【受講要件】

特になし。

【テキスト】

テキストは用いず、講義レジュメや作品をToyoNet-ACEにアップする。

【参考書】

張小虹著、橋本恭子訳『フェイクタイワン 偽りの台湾から偽りのグローバリゼーションへ』、東方書店、2017年5月。
赤松美和子・若松大祐編著『台湾を知るための60章』、明石書店、2016年8月。
陳芳明著、野間信幸他訳『台湾新文学史』(上・下)、東方書店、2015年12月。
台湾女性史入門編纂委員会編『台湾女性史入門』、人文書院、2008年10月。

【関連分野・関連科目】

【備考】

【添付ファイル1】
【添付ファイル2】
【添付ファイル3】
【リンク】