【サブタイトル】 |
都市や地域の魅力の抽出、魅力を挿入により経済を活性化させるまちづくりのケーススタディと理論 |
【講義の目的・内容】 |
今、時代は大きく変化しています。 時代時代の要請に応えようとした先人の努力により、暮らしを豊かにする十分な資産を積み上げてきた日本社会。しかし、社会構造の変化にともない成長・拡大を前提とした従来型の計画・開発手法では解決できない課題があらわれています。従来型の計画・開発から自分たちの手で自分たちの営みの場を創る「まちづくり」へという方向転換は、その現れのひとつといえます。 実際に各地で始まっている公民連携による各々のまちづくりプロジェクトにおいては、その志と経済性の両立は必須のテーマでありますが、その実現は極めて困難なことです。 本講座の内容は、都心部から過疎の村まで全国で行われている民間主導、公民連携のまちづくりプロジェクトのケーススタディを通して、実践的かつ実戦的なノウハウの取得を目指すとともに、まちづくり活動、まちづくりビジネスにおける基礎的な知識、例えばエリアマネジメントをはじめとする都市計画関連やその周辺の法体系から、マーケティングと不動産活用、エリアマーケティングを通じたまちのコンテンツづくりといった既存の学問体系に含まれない、ソフトを重視した生きたまちづくりの知識を多く含んでいます。 |
【学修到達目標】 |
■「わがごとの精神」 現在の日本社会及び各都市の課題を発見する能力を身につけることを通じ、周辺の事象を自らの課題として把握し、その解決に向け行動することができる。
■「目前の事象から課題抽出と問題解決の能力」 都市経営における問題解決を遂行できる力をつける。個別事例、すなわち特殊解の背景を探ることを通じ、理論を重ねて一般解として理解し、問題解決を計画的に遂行することができる。 |
【講義スケジュール】 |
【サブタイトル(Sub-Title)】 都市・地域の魅力を抽出・あるいは魅力を挿入し経済を活性化するまちづくりケースとその理論
【講義スケジュール(Lecture Schedule)】 <講義全体を通じてのテーマ 不動産をどう扱うかをベースに、変化を創り出すエリアプロデュース&マネジメント>
第1講 まちづくりの定義と視野、今期の本講の概略 第2講 まちづくりビジネスとリノベーションまちづくり 第3講 まちづくりに関わる法体系(国土計画、都市計画、地域政策、地方創生政策) 第4講 都市経済学の基本理解と不動産の価値 第5講 生活者の変化を考える。社会、価値観の変遷と「市場」の変化 第6講 ブランディングとマーケティングの基本理解 第7講 エリアマーケティング。考現学とその応用 第8講 ゲスト講師オムニバス講義「エリアマーケティングのその要素」①行政の観点 第9講 ゲスト講師オムニバス講義「エリアマーケティングのその要素」②建築・不動産・商業等産業の観点 第10講 ゲスト講師オムニバス講義「エリアマーケティングのその要素」③地元企業・地域金融機関等地域の観点 第11 講 ゲスト講師オムニバス講義「エリアマーケティングのその要素」④市民、市民団体、NPOの観点 第12講 ゲスト講師の講義からまちづくりビジネスのエッセンスを読み解く 第13講 まちづくりにおける行政の役割、民間の役割 第14講 まちづくりを具体的に進める組織組成(PPPエージェント) 第15講 15回全体のまとめ
※第8講−第11講のゲスト講師について まちづくりの成功には、行政、建築、不動産、商業、地元企業、地域金融機関、市民などの多様なプレイヤーの参画が必要であるので、多様な分野から招聘する。具体的な観点、講師、日程は、履修者の問題意識および講師の都合により設定する
2019年度の実績は泉山塁威氏(東京大学先端科学技術研究センター)、温井達也氏 ((株)プレイスメイキング研究所)、園田 聡氏(ハートビートプラン株式会社 )、宮本恭嗣氏(さいたま市PPPコーディネーター)」、「佐々木 豊氏(浜松市役所)であった 2020年度の実績は高橋浩志郎氏(草加市役所)、的場敏行氏(株式会社NENGO)、諸藤弘之氏(株式会社スターツ総研)、木村隼斗氏(長門湯本温泉まち株式会社 )であった |
【指導方法】 |
・個別のケースを体系的に理解する上で必要な基礎的な知識の提供と確認を行う。 ・実際のまちづくりプロジェクトの紹介をするなかで、プロジェクトと都市計画、都市・地域経営、不動産学との関係、ビジネスへの応用についてディスカッションを行う。 ・スライドヴィジュアル等を使い、できる限りわかりやすく説明して講義を進める。とともに講義毎にディスカッションを行うことで習得を促進する。 ・多彩なゲスト講師によるオムニバス講座により広範な実践的な知識を得る。 |
【事前・事後学修】 |
事前学修 翌週の内容に関してそれぞれの実務や活動から得られる疑問や課題を探す
事後学修 講義の結果から得られるそれぞれの実務や活動に与える影響や効果を考える 時間はおのおの合計30~60分程度を想定する。社会人大学院生は、実際に実務や活動している時間を利用して考察することを推奨する。 |
【成績評価の方法・基準】 |
以下の3つの観点から総合的に評価する。 ・授業中のディスカッションへの積極的な参加による活発な議論への貢献度 ・ゲスト講師によるオムニバス講座後のレポート提出とその内容 ・講義全体を通じて得た知見や気づきを整理した確認テストへの回答提出とその結果 |
【受講要件】 |
なし |
【テキスト】 |
講義時に配布する各回のテーマに沿った資料 |
【参考書】 |
『リノベーションまちづくり』清水義次(学芸出版社) 『都市経済学』山﨑福寿・浅田義久(日本評論社) 『都市・地域経済学への招待状』佐藤泰裕(有斐閣) 『はじめてのマーケティング』久保田進彦・渋谷覚・須永努(有斐閣) 『年収は住むところで決まる雇用とイノベーションの都市経済学』エンリコ・モレッティ(プレジデント社) 『都市・地域の経済学』フィリップ・マッカン(日本評論社) 『地域ブランドと地域経済』佐々木純一郎・石原慎士・野崎道哉(同友館) 『地域ブランド・マネジメント』和田 充夫 他(有斐閣)
『人間のための街路』バーナード・ルドフスキー(鹿島出版会) 『考現学』今和次郎(ドメス出版) 『考現学入門』今和次郎・藤森照信(ちくま文庫) 『Form Follows Finance』(Princeton Architectural Press) 『アメリカ大都市の死と生』ジェいん・ジェイコブズ(鹿島出版会) 『イギリスのガバナンス型まちづくり』西山康雄(学芸出版) 『発展する地域 衰退する地域: 地域が自立するための経済学』ジェイン・ジェイコブズ(ちくま学芸文庫) 『 まちづくりと景観』田村明( 岩波新書) |
【関連分野・関連科目】 |
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【備考】 |
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【添付ファイル1】 |
【添付ファイル2】 |
【添付ファイル3】 |
【リンク】 |
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