財務分析論
担当者 中村 郁博(ナカムラ フミヒロ)
年度 2022授業コード XM22091101 科目ナンバリング
対象年次 1~3 授業形態 講義 実施形態
時間割 春土3 開講キャンパス 白山 教室 8202教室
単位数 2 主たる使用言語 日本語 実務教員科目 タイプA
授業科目区分
授業回数
受講対象学科 経済学研究科公民連携専攻修士課程
【サブタイトル】

財務諸表をもとに企業を評価する基礎的手法の理解と実践

【講義の目的・内容】

・企業活動を正確にレポートするために、会計と財務諸表は発展し続けている。これを適確に分析することができれば、財務諸表だけを通じても、企業活動の現状と将来に向けた課題を浮かび上がらせることもできる、極めて有用なツールになる。
・よりよいPPPの実現に向け、事業収支計画の策定や評価、さらにはパートナシップを構築する企業の理解のために、会計や財務諸表の基礎的手法は重要であり、本講義では、その基礎的手法の修得をゴールとする。
・本講義は会計や財務分析の初学者向けであり、実際の事業収支計画の策定作業は秋学期の「財務計画論(五十嵐先生)」で行う。
・財務分析自体の有用性を実感するため、実在する企業の事例研究を通じて、会計や財務分析が企業の本質を把握、そして事業計画、同戦略立案の有用なツールであることを実感する。

【学修到達目標】

・企業の決算書(有価証券報告書)が読める。
・さまざまな業種に属する企業の現状と将来性について評価できる。
・特に、自治体職員に関しては、PPPビジネスにおいてパートナーを選定する際に企業が評価できる。

【講義スケジュール】

注)要点を押さえた講義とするため、講義の一部内容を次回講義に繰り下げることがある。
第1回 講義ガイダンス、財務分析の基礎(1): 会計の分類
    ・会計の分類
    ・企業会計の目的
    ・企業会計理論の構造
    ・上場会社の決算開示
第2回 財務分析の基礎(2):簿記・仕訳・財務諸表
    ・簿記の基礎
    ・仕訳の基礎
    ・財務諸表の構成
    ・簿記から財務諸表の作成
    ・ケーススタディ
第3回 財務分析の基礎(3):貸借対照表・損益計算書
    ・財務諸表の概観
    ・貸借対照表(資産)
    ・貸借対照表(負債)
    ・貸借対照表(純資産)
    ・損益計算書
    ・会計方針の注記
第4回 財務分析の基礎(4):包括利益計算書・株主資本等変動計算書・キャッシュフロー計算書
    ・包括利益計算書
    ・株主資本等変動計算書
    ・キャッシュフロー計算書
    ・キャッシュフロー分析
第5回 財務分析(1):財務指標分析
    ・財務指標を用いた財務分析
    ・収益性分析
    ・安全性分析
    ・活動性分析
    ・生産性分析
    ・成長性分析
    ・ケーススタディ
第6回 財務分析(2):財務分析①
    ・財務分析の概観
    ・理論値(目標値)比較法
    ・時系列分析
第7回 財務分析(2):財務分析②
    ・クロスセクション分析法
    ・管理会計手法の応用
    ・財務情報の入手実務
    ・財務分析の発展的考察
第8回 財務分析(3):広義の財務分析
    ・広義の財務分析の概観
    ・広義の財務分析のポイント解説
第9回 財務分析(4):ケーススタディ
    ・財務分析レポートのテンプレート解説
注)第10回以降の講義で引用する業種及び企業については変更することがある。
第10回 実在する企業の分析(1):製造業(自動車)
     グローバル企業の実態を分析
第11回 財務分析演習
第12回 実在する企業の分析(2):非製造業①(小売)
     地域商社等でも注目される小売企業の実態を分析
第13回 実在する企業の分析(3):非製造業②(不動産)
     PPPにて多くみられる不動産企業の実態を分析
第14回 実在する企業の分析(4):非製造業②(鉄道)
     代表的な公益企業の実態を分析
第15回 講義総括(補完すべきトピックス)

【指導方法】

・主に講師が作成したレジュメ等の講義資料を中心に解説を行う。
(第11回の演習において、事前に課題提出を求める)
・講義資料については事前にToyoNet-ACEに掲示する。

【事前・事後学修】

・事前学習 設定されたテーマに関してそれぞれの実務や活動から得られる疑問や課題を探す。
・事後学習 議論の結果から得られるそれぞれの実務や活動に与える影響や効果を考える。
・時間はおのおの30~60分程度と想定する。社会人大学生は、実際に実務や活動している時間を利用して考察することを推奨する。

【成績評価の方法・基準】

以下を総合的に判断して、東洋大学大学院成績評価基準に準拠して成績を評価する。
1.講義への出席 45点
2.講義中における質疑・発表・意見貢献への参加度合い 15点
3.期末レポート(本講義で学んだことを用いて、指定の企業について評価する) 40点

【受講要件】

経済学研究科公民連携専攻所属院生であること

【テキスト】

ToyoNet-ACE で配信する資料を使用する。履修生は、事前に入手する。

【参考書】

受講者の経営学の学習経験により、それぞれ以下の書籍を参考書として推薦する。
初学者:『この1冊ですべてわかる会計の基本』 岩谷誠治, 日本実業出版社, 2010, 1,650円(税込み)
既修者:『エッセンシャル財務会計(第4版)』 井上達男・山地範明, 中央経済社, 2021, 4,180円(税込み)

【関連分野・関連科目】

【備考】

【添付ファイル1】
【添付ファイル2】
【添付ファイル3】
【リンク】