【サブタイトル】 |
教育・教養コンテンツ制作を通して身につけるメディアリテラシー |
【講義の目的・内容】 |
映像メディア制作Bでは、映像メディア制作Aと同様に、情報発信をする際に求められるスキルは何か、また、意味の見いだせる情報をいかに共有していくのか、意図した内容をいかにして伝えるか、情報発信を行う上で必要な普遍的なリテラシーを、メディアコンテンツ制作を通して獲得していく。
映像メディア制作Bでは、映像メディア制作Aで学習したことを下地に、学外の人にも十分に見せられると思われるコンテンツを制作することに挑戦していく。ここでは映像メディア制作A同様に、映像コンテンツ制作、考え方、クリエイティブ・エコノミーに関する基本知識を身に着け、並行して様々な表現方法を映像作品を分析、批評する中で学習していくことを目指したい。その上で、余裕があるのであれば、様々な創作過程で身につけた基本的な態度や能力を応用するスキルを身につける。すくなくとも最低限そこを目指す。ここでも同様に教養コンテンツを制作するとする制限を設けるものの、少し幅を広げ、ドキュメンタリーやニュースのような番組、芸術性も追求しつつメッセージが伝わる芸術コンテンツなども作りたければ制作できることとし、限られた資源で創意工夫していく能力を学習する。最終的に、その創意工夫する能力を向上させつつ、クリエティブな遊びをしながら、受講者相応の世代に合わせた、あるいは現在の状況にあったコンテンツ制作に学んだ知識を応用することができるようにする |
【学修到達目標】 |
全体の学修到達目標
メディア・コンテンツを企画・制作・公表するために必要な知識と技能を習得するための、思考能力および学習スキルを身につける。その上で、これらの基礎知識と技能を応用し、メディア産業やコンテンツ産業、ICT産業、あるいは企業、政府、教育機関の広報・情報部門等で活かすための実践力を身につけるために必要な学習能力、思考能力を向上させることができるような基本の学習態度を身につけることを目標とする。そこを最低限の目標とする。
映像メディア制作B 1. 春学期に獲得した知識・スキル・経験を応用し、更に質の高い映像コンテンツの制作をしようと思うようになる 2. 前期で身につけた情報発信のための基本技術を更に磨き、目的にそった映像メディアのデザイン・制作ができるようになることを目指そうとするようになる 3. より多様なかたちの情報を検索・分析・評価するために必要な知識と技能を習得するために、基本の基を磨けるようになる。 4. 春学期同様に情報発信についての制作を学習する過程、教室における教員や学生との協働作業を進める過程で、最低限の対話能力を身につける
5.春学期同様に、自己満足作品にならないようなコンテンツを制作するための基本的思考能力を身につけ、作品の意図などを説明、効果的かつ時代に合わせたコンテンツの共有方法を身につけることを目指す |
【講義スケジュール】 |
進捗状況や受講者の態度等に合わせて、以下の講義スケジュール、内容を変更する場合がある。
4限目 1.秋学期の方針説明、必要に応じてグループ変更 2.春学期の復習、春学期に実施した撮影練習の反復 3.秋学期に制作するコンテンツの企画立案 テーマを決める 4.企画検討 (1)決めたテーマについて事前リサーチをする 5.企画検討 (2)企画を他グループに批評してもらう/企画を練り直す 6.撮影実習 (1)事前リサーチ/背景知識の構築/映像素材収集 7.撮影実習 (2)取材/映像素材収集 8.撮影実習 (3) 取材/映像素材収集 9.撮影実習/編集実習: 粗編集をし、必要であれば映像を収集する 10.編集実習(1)構成を練り直す/映像素材の取捨選択/流れを考える 11.編集実習 (2) 粗編集をし全体の構成を検討する 12.編集実習 (3) 作品を仕上げる 13.編集実習予備日/作品上映 14.作品上映 15.作品講評
5限目 1.秋学期の方針説明、春学期の復習、ヘッドショット、インタビュー撮影のセッティング練習、ポートフォリオサイト制作の基礎、最近のコンテンツ共有方法がどうなっているか、先生の話しも聞きつつ調べながら学習 2.そもそも何をつくるか、つくりたいのか自分達で考える日。企画の前の企画、アイディア出し 3.企画立案 決めたテーマについて内容を詰める 4.企画検討 (1) リサーチをもとに企画を練り直す 5.企画検討 (2) 粗構成を検討し、制作工程を考える 6.撮影実習 (1) 事前リサーチ/背景知識の構築/映像素材収集 7.撮影実習 (2) 取材/映像素材収集 8.撮影実習 (3)取材/映像素材収集 9.撮影実習/編集実習: 粗編集をし、必要であれば映像を収集する 10.編集実習 (1)映像素材をいかにしてつなげるか検討する 11.編集実習 (2) 企画に合わせ編集方法を再検討する 12.編集実習 (3)作品を仕上げる 13.作品上映 14.作品上映/作品講評 15.映像メディア制作ABの総括 |
【指導方法】 |
映像メディア制作Bは映像メディア制作Aと同様に演習が基本となり、4限目と5限目はセットで、各自必要な練習、演習、そして学習する。ここではまた、ウェブコンテンツなど多様なかたちで情報を企画、制作、公表するために必要な知識と最近の動向にも触れていきたい。並行して、メディア制作環境を取り巻く最新の状況も踏まえつつ、情報をいかにして共有していくのか自ら進んで考察するために必要な応用知識とスキルを自学自習していくための態度を先生の助言を得ながら主体的に獲得する。なお、春学期に基本の「基」は全員身につけたという前提ですすめる。そのことから、授業時間全てを先生の説明やクラス全員で同じ練習や作業をするというものは秋学期から減る。秋学期は、グループ作品を最低1品制作すること目指しつつ、その過程で受講者個別の要望も聞きながら先生は個別対応する。自分で制作をどんどん進めたい場合は、その時間を授業時間内に可能な範囲で設けるほか自学自習できる環境を整える。 |
【事前・事後学修】 |
本演習科目は、授業外課題など、授業以外での十分な学習時間を要する。大学設置基準では、本演習では最低週8時間の授業外学習時間を目安としたい。
事前学修
授業外学習に臨む。また、制作実習期間は、制作テーマについて各自で下調べや背景知識の獲得、また授業内で終了できなかった制作や編集作業を行う(2時間-4時間程度)。本演習に関連した資料、映像資料、その他様々な分野の映像作品を分析する(2時間程度)。
事後学修
本講義で学んだことを復習し、必要であれば授業で指定された参考資料や参考動画を使用してさらなる学習をすすめる。理解が十分でない点を明らかにし、次回の授業で質問できるよう準備する。基本的な撮影・編集技術を授業外でも各自鍛錬し、必要な場合は教員のアドバイスなどを得ながら自主的にスキルを磨く(2時間程度)。授業外でも制作作業が必要な場合は、教員のアドバイスを得ながら進める(1時間〜2時間程度)。 |
【成績評価の方法・基準】 |
総合評価は東洋大学の成績評価基準に準拠する。
出席・参加度・積極性・グループ活動 30 %
映像制作演習への取り組み/作品の完成度 25 %
授業外学習/課題 25%
チームワークまたは対話能力の向上 20% |
【受講要件】 |
制作Aを既に履修していること。必須ではないが、パソコンなどのICT機器に関しては物怖じしないで使用できることが望ましい。加えて、新しい環境となっても柔軟に対応できるような姿勢を持つ努力をすることは要件としたい。目の前に撮影道具、パソコン、タブレットがあれば、周りの状況を尊重しつつ、主体的に何を創作していくか、妄想できると尚可。 |
【テキスト】 |
担当教員が構築した授業用簡易webサイトを活用する。当サイトは授業の進行と並行して、受講者の提案を取り入れながら随時更新していく。 |
【参考書】 |
実践を重視した美術論/映像論:
洋書: Herbert Zettl, Sight, Sound, Motion: Applied Media Aesthetics, Cengage Series in Communication Arts, 8th ed. (Boston, MA: Cengage Learning, 2016).
映像制作全般に関して: 鈴木祐介『映像制作モダンベーシック教本』(玄光社、2022年) 小島真也『動画制作の教科書(世界一わかりやすいシリーズ)』(技術評論社、2022年) 黒岩亜純/宮徹『大学生のための動画制作入門:言いたいことを映像で表現する技術』(東京:慶應義塾大学出版会、2017年)
近藤智嗣 『映像コンテンツの制作技術〔改訂版〕 (放送大学教材) 』(東京:NHK出版、2020年)
田所貴司『映像制作スタンダードブック: CM、プロモーションビデオなど、プロの仕事から徹底解説』(東京:誠文堂新光社、2016年)
その他の参考文献/資料は授業簡易サイトで適宜紹介する。 |
【関連分野・関連科目】 |
映像メディア制作A、基礎ゼミなどの基本的な文章作成能力やプレゼン方法を学習する科目、語学関連科目など |
【備考】 |
特別な支援や特別な配慮が必要な場合は必ず担当教員に相談すること。授業外学習を求める大変きつい授業である。制作は手間とエネルギーを要する。時間のかかる作業だと理解すること。授業には真摯な姿勢で参加すること。担当教員も学習しやすい環境を可能な範囲で整える。態度が極端に悪い場合、他の学習者の妨げになるので退出を求める場合がある。全ての授業への参加が前提である。楽をしたい人、単位を浮かせたい人にとっては不満の残る授業となる。点呼した場合は反応すること。対話必修の授業であり、授業内で先生や他の受講者が発言している場合は適切な反応を求める。他人に反応しない、無言、無視、舌打ちなどをした場合は出席とみなさない。また出席をすればいいわけではなく、実際に演習に参加すること。例えば、情報実習室で何もせず居眠り、課題の指示を出しているのにも関わらず何もしない、アプリを触って遊んでみるといった創作活動もしない場合は欠席とする。遊びながら学べるのにもったいない。自由時間を設けても機材のスイッチもつけることさえせず寝る、スマホをいじり続けるというのであれば、こちらは何も提供できない。授業用簡易Webサイトにて資料を配布する場合がある。確認すること。指示が理解できない、何をしているのかわからない、混乱しているという場合は必ず確認をとること。何も言わなければ対応が難しい。それを避けるために必要に応じた確認作業を求める。専門学校のように特定アプリの使用方法やモーショングラフィック作成術を手取り足取り毎授業教授する授業ではないことは理解する。その代わり大学の資源を可能な限り使用し、自学自習できる場は整える。制作全般を学び、情報を共有するとは何か、意味の見いだせる作品どうつくるか、を考えられるようにする授業である。最低でも一作品、意味の見出せるコンテンツを完成させることを目指す。人に見せて意図した内容が通じるように創るにはどうしたらいいのかを考える授業だと理解する。好き勝手に「俺のセンスと感覚で」作品を見せられてしまう受け手の気持ちを想像できるようになってほしい。なお、授業が先生本位だと批判する場合は反面教師と思って作品を受け手主体でつくってみよう。独学スキルがあることが望ましい。担当教員はアドバイスはするものの、演習科目であり、実習である。座って練習問題を解く授業ではないことは理解する。 |
【添付ファイル1】 |
【添付ファイル2】 |
【添付ファイル3】 |
【リンク】 |
http://koachshouse.mods.jp/mediastudieswithkoach/
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