中世近世哲学演習B/中世哲学演習B2
担当者 上村 直樹(カミムラ ナオキ)
年度 2024授業コード 1110093003 科目ナンバリング
対象年次 3~4 授業形態 演習 実施形態 対面
時間割 秋水3 開講キャンパス 白山 教室 6102教室
単位数 1 主たる使用言語 日本語 実務教員科目
授業科目区分
授業回数
受講対象学科
【サブタイトル】

中世哲学のエッセンスを読む

【講義の目的・内容】

 中世哲学のエッセンスを英語の翻訳で読む。この演習では西欧中世哲学史において問われた問題群のなかから「幸福」や「意志」や「人間の目的」といった倫理学の根本的なテーマを選び、中世を代表する哲学者であり神学者でもあるトマス・アクィナスが著した代表的なテクストを読むことを通して中世倫理学の基本的な概念を学ぶとともに、現代とは異なる或いは共通する哲学的な思考についての理解を深めることを目指す。
 この演習では英語のテクストを読みすすめるとともに、中世哲学の基本概念についてアリストテレス倫理学の受容も含めた哲学史的な観点を踏まえて学ぶ。

【学修到達目標】

A. 英語テクストを読み解くことを通して、哲学的なテクストを分析する方法に親しむ。
B. 中世哲学の基本的な概念を踏まえて、哲学的な思考法について理解する。
C. テクスト読解を踏まえたレポートを作成する。

【講義スケジュール】

 この演習では、授業に参加している人々の理解の度合いを踏まえてテクストを読み進めるので、あらかじめ定められた範囲通りに読みおえることを目指さない。
 テクストを丁寧に読むことが大切なので、以下のスケジュールはあくまで目安としてほしい。

第1回 中世哲学を学ぶための指針について説明する
第2回 トマス・アクィナス『神学大全』第2–1部〔人間の幸福についての論考〕第7問第1項を読む
第3回 「第7問第1項」に関する疑問点の検討とテクストの論理や構造について
第4回 トマス・アクィナス『神学大全』第2–1部〔人間の幸福についての論考〕第7問第2項を読む
第5回 「第7問第2項」に関する疑問点の検討とテクストの論理や構造について
第6回 トマス・アクィナス『神学大全』第2–1部〔人間の幸福についての論考〕第7問第3項を読む
第7回 「第7問第3項」に関する疑問点の検討とテクストの論理や構造について
第8回 トマス・アクィナス『神学大全』第2–1部〔人間の幸福についての論考〕第7問第4項を読む
第9回 「第7問第4項」に関する疑問点の検討とテクストの論理や構造について
第10回 トマス・アクィナス『神学大全』第2–1部〔人間の幸福についての論考〕第7問第5項を読む
第11回 「第7問第5項」に関する疑問点の検討とテクストの論理や構造について
第12回 トマス・アクィナス『神学大全』第2–1部〔人間の幸福についての論考〕第7問第6項を読む
第13回 「第7問第6項」に関する疑問点の検討とテクストの論理や構造について
第14回 トマス・アクィナス『神学大全』第2–1部〔人間の幸福についての論考〕第7問第7項を読む
第15回 「第7問第7項」に関する疑問点の検討とテクストの論理や構造について

【指導方法】

A. 対面授業と非対面(メディア)授業を組み合わせたブレンド型によって実施する
B. 非対面(メディア)授業においては、配信されるテクストの読解に集中するとともに、インターネット環境を活用することによって質疑応答を進める
C. 対面授業においては、質疑応答を踏まえた解説をテクストを一層よく理解するための術語や哲学史的な背景も含めて行うことによって、テクストを支える論理や構造についての理解を深めるとともに、新たな質疑応答を試みる。

〈授業の形態〉
 対面授業と非対面(メディア)授業それぞれのメリットを考慮したうえで、二つの授業の形態を隔週に組み合わせるブレンド型授業によって実施する。
 受講者は先行する非対面(メディア)授業において講読するテクストの配信を受け取った上でその読解に取り組み、所定の範囲について作成した訳文とともに疑問点を記入した「読解ノート」を ToyoNet-ACE 経由で提出する。つづく次週の対面授業において、「読解ノート」を踏まえた質疑応答を行なうとともにテクストの論理や構造についての解説が提供される。
 非対面(メディア)授業ではアプリケーションの Discord を利用するとともに ToyoNet-ACE を併用するので、これらを利用するための端末とインターネット環境が必要となる。対面形式で行なわれる初回授業のガイダンスにおいて授業の形態の詳細と注意事項について説明する。

【事前・事後学修】

 事前学習については、それまでに読解したテクストについて再度検討する。この事前学習の所要時間の目安は30分程度とする。
 事後学習においては、ノートをふりかえって疑問点を確認するとともに議論の内容についての考察を進める。この事後学習の所要時間の目安は30分程度とする。

【成績評価の方法・基準】

 「読解ノート」を中心とした授業への貢献度の評価 50%、学期末のレポート 50% によって総合的に評価する。非対面(メディア)授業への出席はToyoNet-ACE経由で提出される「読解ノート」によって判断する。なお、成績評価の基準は東洋大学の成績評価基準に準拠している。

【受講要件】

 特段の要件はない。ただし英語テクストを詳細に読みつづけるという意欲が求められる。

【テキスト】

 非対面(メディア)授業においてインターネット上のアプリケーションを通じて配布する。なおアプリケーションの利用が困難になる場合は別途その手段についてメーリングリストを介して連絡する。

【参考書】

 第1回目の授業において参考文献の一覧表を配布する。また、必要におうじて担当教員のウェブサイトにおいて文献表をアップロードするので、担当教員の指示にしたがってアクセスしてほしい。

【関連分野・関連科目】

【備考】

【添付ファイル1】
【添付ファイル2】
【添付ファイル3】
【リンク】