【サブタイトル】 |
I C T政策・制度とICT技術との関係を学ぶ。(「技術と制度は車の両輪」) |
【講義の目的・内容】 |
"ICTの積極的活用は、企業の新たな付加価値の創出や社会的課題の解決に貢献します。I C Tを積極的に活用した斬新なアイデアに基づくプロジェクトを、企業の新規ビジネス、スタートアップ、新たな公共サービス等として立ち上げるためには、「技術と制度」は車の両輪であることを理解し、新しいI C T技術のポテンシャルと既存ルール・制度や新たなルール等との連携が不可欠となります。 新型コロナ対策において、マイナンバーなど行政情報システムが十分に機能しなかったことなどから、「デジタル敗戦」という言葉が流布しました。2021年9月にはデジタル庁が発足し、我が国のデジタル化の加速化が期待されています。社会全体のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を早急に実現していくため、I C T政策・制度の視点からI C T技術を俯瞰し、①インフラ層、②プラットフォーム層、③アプリケーション層、④コンテンツ層の「レイヤー構造」に基づき、各機能の現状と課題を学び、新たなプロジェクトを推進する場合、既存のルール、制度の範囲内で対応可能か、あるいは、具体的にどのような新たなルール整備が必要かなどを学ぶ機会とします。 また、情報は国境を超えて、自由に流通するので、自国のルール・制度に着目しただけでは不十分であり、インターネット・ガナバンス、プライバシー、サイバーセキュリティなどの問題を解決するためには、国際的なルール及び諸外国のルール・制度を理解すると共に、各国の制度的調和の可能性などについて学ぶ必要があります。 この様な学びを通じて、自らが有するアイデアを具体的なプロジェクトとして推進するためのノウハウを習得し、技術革新の恩恵の活用を通じ、グローバル社会の発展に貢献することを目指します。" |
【学修到達目標】 |
"(1)I C T政策・制度の課題を説明できる。 (2)自分の関心のある分野について、新たなI C T政策や制度などについて提案できる。 (3)自分が関係するプロジェクに関して、ルール・制度面の課題や解決方策について提案できる。 (4)自分の関心のあるプロジェクトを一層推進するために、必要な政策について提案できる。" |
【講義スケジュール】 |
"第1回 授業案内/「ICT社会応用論A」の概要と情報総論 情報・コミュニケーションとは何か、情報・コミュニケーションを分析するための基本的なフレームワークなどについて学ぶ。
第2回 ICT社会の展望 インターネットの出現により、過去に提言された様々な「ICT社会に関するビジョン」を学ぶとともに、2030年、2050年を展望したICT社会ビジョンを考える。
第3回 ICT政策・制度の在り方(1) 1990年代以降の我が国のICT政策・制度の特徴について学ぶとともに、I C T技術の発展とI C T政策・制度との関係について考える。
第4回 ICT政策・制度の在り方(2) 1990年代以降のグローバル(国連、G7など)なICT政策・制度の特徴について学ぶとともに、I C T技術の発展とI C T政策・制度との関係について考える。
第5回 情報法概論 情報に関係する様々な法律を体系的に整理し、情報法の基本概念やレイヤー構造で分類した各法律の概要について学ぶ。
第6回 I C Tインフラの在り方(1):通信制度の概要 通信法制の概要などについて学ぶとともに、課題となっている事象を踏まえ、望ましい法体系について考える。
第7回 I C Tインフラの在り方(2):放送制度の概要 放送法制の概要などについて学ぶとともに、課題となっている事象を踏まえ、望ましい法体系について考える。
第8回 生徒プレゼンテーション(特別レポート)(1) 第1回から第7回までの内容に関する課題を提示するので、テーマに関するプレゼンテーション資料を作成し、発表を行う。発表内容に関する討議を行う。
第9回 プラットフォームの在り方 G A F A Mなどが世界市場を席巻している。プラットフォーマーの現状と課題、プラットフォームの特性等について学ぶとともに、プラットフォームの規律はどうあるべきかについて考える。
第10回 アプリケーションの在り方(1):電子政府、医療、教育の情報化 電子政府、医療及び教育に関する情報化の現状と課題について学ぶとともに、望ましい在り方について考える。
第11回 アプリケーションの在り方(2):交通、農業、街づくり等の情報化 交通、農業、街づくり(Smart City)、働き方改革等に関する情報化の現状と課題について学ぶとともに、望ましい在り方について考える。
第12回 情報・コンテンツの在り方 放送番組、インターネット動画、広告などのコンテンツ市場の現状と課題について学ぶとともに、「情報の自由な流通」を確保するための方策について考える。
第13回 AIについて 生成AIが発達し、社会経済システムに大きな影響を与える可能性がある。AIガバナンスなどAIに関して様々な議論が行われているが、社会経済的視点から、現状や課題について学ぶとともに、今後の展望について考える。
第14回 生徒プレゼンテーション(特別レポート)(2)・ラップアップ 第9回から第13回までの内容に関する課題を提示するので、テーマに関するプレゼンテーション資料を作成し、発表を行う。発表内容に関する討議を行う。今学期の授業内容を総括するとともに、各生徒が今後取り組みたいと考えているプロジェクトと制度・ルールとの関係を考える。 " |
【指導方法】 |
" この授業は講義形式で行いますが、インタラクティブな授業を目指します。質疑や意見交換の時間を出来る限り多く設けます。 授業で使用する資料と授業の前後に取り組む課題(詳細は【事前・事後学修】を参照)は、INIAD MOOCsで配信します。 授業中に質問、コメントなどある場合は、Slackを積極的に活用して下さい。 授業計画は、総論(ビジョン、政策、法制度)(第1回〜第5回)、インフラ(第6回、7回)、プラットフォーム(第9回)、アプリケーション(第10回、11回)、コンテンツ(第12回)、AI(第13回)で構成されています。 授業中あるいは、授業終了後に毎回課題を出しますので、レポートを提出して下さい。課題レポートとは、別に、自由に授業の感想・要望などを記述して下さい。 第8回と第14回の2回は、生徒の皆さんによるプレゼンテーション(特別レポート)を予定しています。予め課題を提示しますので、プレゼンテーション資料(特別レポート)を準備して下さい。自由に意見交換が行える機会とします。" |
【事前・事後学修】 |
"事前学習では、INIAD MOOCsで配信される授業用資料を確認し、不明な概念、用語などを調べたり、質問項目などを考えて下さい(30分程度)。 事後学習では、授業の内容を振り返って、授業資料を再度確認するとともに、関係する資料を学習するなどして、自分の考えをまとめて下さい。(90分程度)" |
【成績評価の方法・基準】 |
"成績は、①授業への参加状況と各回の課題レポート、②2回の特別レポートにより評価を行います。 ①5回以上欠席した場合、及び②特別レポートを1回も提出しない場合は、単位を取得することができません。 授業への参加・理解度(70%)、2回の特別レポート・プレゼンテーション(各15%)に基づいて評点を算出します。 成績は、東洋大学の成績評価基準に準拠します。
(授業への参画について) 各回の課題レポートの内容に応じて、評価します。 授業への参画の程度に応じて、評価します。 授業中に発言すると加点します。 各授業の終了後に授業についての感想、コメントを提出して下さい。
(特別レポート・プレゼンテーションについて) (13〜15点) ・自分の意見を論理的に展開し、独自の視点が提示できる。 (9〜12点) ・自分の意見が加味できる。 (6〜8点) ・資料に基づき、正確な分析ができる。 (1〜5点) ・資料から正確な引用ができる。" |
【受講要件】 |
特になし。 |
【テキスト】 |
INIAD MOOCsで配信する資料を使います。 |
【参考書】 |
"・Luciano Floridi著 「INFORMATION」、OXFORD university press、2010 ・西垣 通 著 「新 基礎情報学」、NTT出版、2021 ・曽我部真裕、林 秀弥、栗田昌裕 著 「情報法概説 第2版」、弘文堂、2019 ・小向太郎 著 「情報法入門 第6版」、NTT出版、2022 ・浜田純一 著 「情報法」、有斐閣、1993 ・ビクター・マイヤー他 著 「データ資本主義」、NTT出版、2019 ・アンドリュー・マカフィー他 著 「プラットフォームの経済学」、日経BP社、2018 ・カール・シャピロ他 著 「ネットワーク経済の法則」、IDG、1999年 ・大橋 弘 著 「競争政策の経済学」、日経新聞出版社、2021 ・西垣 通 著 「超デジタル世界」、岩波新書、2023 ・情報通信白書 総務省 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/" |
【関連分野・関連科目】 |
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【備考】 |
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【添付ファイル1】 |
【添付ファイル2】 |
【添付ファイル3】 |
【リンク】 |
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