ICT社会応用論B/コンピュータ・ネットワーク論Ⅳ
担当者 阪本 泰男(サカモト ヤスオ)
年度 2025授業コード 1F10295101 科目ナンバリング
対象年次 2~4 授業形態 講義 実施形態 対面
時間割 秋火2 開講キャンパス 赤羽台(INIAD) 教室 3201教室
単位数 2 主たる使用言語 日本語 実務教員科目 タイプA
授業科目区分
授業回数
受講対象学科
【サブタイトル】

AIと社会と制度について学ぶ。(「どのようなAI社会を構築すべきか」)

【講義の目的・内容】

"AIの発達は、今後の社会経済システムに大きな影響を与えます。インターネットの登場により、社会経済は大きく変化しましたが、AIの発達はそれ以上のインパクトを与えると予想されます。2022年11月の生成AI公開以降のA Iの発達には目を見張るものがあり、汎用A I(AGI)を含めどこまで発達するのか誰も予測できない状況にあります。AIは、産業競争力、さらには、国力そのものを左右する技術であり、世界中で、その開発競争が激化しています。一方で、偽・誤情報のリスクの克服など安全・安心で信頼できるAIの実現が大きな課題となっています。AIの発達は、人間とは何かという根源的な問題を考える契機になると思います。また、社会経済システムの観点から見ると、既存の法制度や経済制度は、個人が自立した人格を有する人間像を前提に構築されていますので、これらの前提を見直すなど、AIを前提とした新たな社会経済システムの構築に関する議論は待ったなしの状況です。また、世界各国でAIに関する様々な問題について、正にホットな議論が交わされている状況です。
この講義では、「AIと社会と制度」に焦点を当てて、AI倫理、AIガバナンス、AIと法律、AIと経済、AIのリスクと利活用、国際連携などについて、学びます。AIを活用したプロジェクトを推進するためにも、AIに関する現在進行している制度・ルールの検討などへの理解は不可欠です。世界が模索しているAIに関する最新の状況を理解するとともに、未解決の課題について自ら思考することは極めて有意義です。
AIの技術に関する最先端の動向などは他の授業で学び、AIの制度やルールに関する最近の動向はこの講義で学び、A Iに関する技術と制度の両面を理解することにより、グローバル社会の発展に貢献して頂きたいと思います。なお、A Iに関する制度のあり方について、現時点で正解はありません。何が課題か自らの頭で考えることが重要だと思いますので、その契機になることを期待しています。"

【学修到達目標】

"(1)AIの政策・制度・ルールに関する課題を説明できる。
(2)自分の関心のあるAIの分野について、新たな政策や制度・ルールなどについて提案できる。
(3)自分が推進しているAIに関する関係するプロジェクに関して、具体的なルール・制度面などの課題や解決方策について提案できる。"

【講義スケジュール】

"第1回 AIと国際連携・協調
広島AIプロセスなどG7、国連などにおいて、AIに関してどのような議論が行われているかについて包括的に学ぶ。

第2回 AI倫理
功利主義、義務論、徳倫理学などの考え方を踏まえた上で、各国で検討されているAI倫理原則などについて学ぶ。AI倫理のあり方について考える。

第3回 AIガバナンス
AIガバナンス(AIの開発と利用を倫理的・法的・社会的基準に沿って監督・管理するなど)に関する議論について学ぶ。望ましいAIガバナンスのあり方について考える。

第4回 AIと政治
AIと民主主義などとの関係について学ぶ。AIの発達は、政治にどのような影響を及ぼすかについて考える。

第5回 AIと法律(その1)
AIと制度に関する一般論について学ぶ。AIと制度のあり方について考える。

第6回 AIと法律(その2)
AIと憲法、民法、刑法等との関係について学ぶ。AI時代の法のあり方について考える。

第7回 生徒プレゼンテーション(その1)
課題を提示するので、テーマに関するプレゼンテーション資料を作成し、発表を行う。発表内容に関する討議を行う。

第8回 AIと法律(その3)
AIと著作権法、個人情報保護法等との関係について学ぶ。AI時代の著作権のあり方について考える。

第9回 AIと経済
AIを活用したビジネスモデル、D Xについて学ぶ。AIと労働市場、ビジネスモデルとの関係について考える。

第10回 AIとリスク
偽・誤情報対策、サイバーセキュリティ、A I兵器などAIのリスクについて考える。

第11回  AIと利活用
AIと自動運転、医療分野、教育分野などにおけるAIの活用方策と課題について考える。

第12回 AIと社会経済システム
今までの議論を踏まえ、どのようなAI社会を実現すべきかについて考える。

第13回 A Iの最新動向
外部有識者から、最新のAI動向について学ぶ。

第14回 生徒プレゼンテーション(2)
課題を提示するので、テーマに関するプレゼンテーション資料を作成し、発表を行う。発表内容に関する討議を行う。
 "

【指導方法】

"この授業は講義形式で行いますが、インタラクティブな授業を目指します。質疑や意見交換の時間を出来る限り多く設けます。
授業で使用する資料と授業の前後に取り組む課題(詳細は【事前・事後学修】を参照)は、INIAD MOOCsで配信します。
授業中に質問、コメントなどある場合は、Slackを積極的に活用して下さい。
授業計画は、プロジェクトを推進する上で、重要と考えられる、AIに関する制度のテーマから構成されており、各テーマが一回の授業で学べるように構成しています。
授業中あるいは、授業終了後に毎回課題を出しますので、レポートを提出して下さい。課題レポートとは、別に、自由に授業の感想・要望などを記述して下さい。
第7回と第14回の2回は、生徒の皆さんによるプレゼンテーション(特別レポート)を予定しています。予め課題を提示しますので、プレゼンテーション資料(特別レポート)を準備して下さい。自由に意見交換が行える機会とします。"

【事前・事後学修】

"事前学習では、INIAD MOOCsで配信される授業用資料を確認し、不明な概念、用語などを調べたり、質問項目などを考えて下さい(30分程度)。
事後学習では、授業の内容を振り返って、授業資料を再度確認するとともに、関係する資料を学習するなどして、自分の考えをまとめて下さい。(90分程度)"

【成績評価の方法・基準】

"成績は、①授業への参加状況と各回の課題レポート、②2回の特別レポートにより評価を行います。
①5回以上欠席した場合、及び②特別レポートを1回も提出しない場合は、単位を取得することができません。
授業への参加・理解度(70%)、2回の特別レポート・プレゼンテーション(各15%)に基づいて評点を算出します。
成績は、東洋大学の成績評価基準に準拠します。

(授業への参画について)
各回の課題レポートの内容に応じて、評価します。
授業への参画の程度に応じて、評価します。
授業中に発言すると加点します。
各授業の終了後に授業についての感想、コメントを提出して下さい。

(特別レポート・プレゼンテーションについて)
(13〜15点)
・自分の意見を論理的に展開し、独自の視点が提示できる。
(9〜12点)
・自分の意見が加味できる。
(6〜8点)
・資料に基づき、正確な分析ができる。
(1〜5点)
・資料から正確な引用ができる。"

【受講要件】

特になし。

【テキスト】

INIAD MOOCsで配信する資料を使います。

【参考書】

・「AIがつなげる社会」 福田雅樹他編 弘文堂 2017年
・「ロボット法」(増補第2版) 平野 晋著 弘文堂 2024年
・「ロボット・AIと法」 弥永真生他編 有斐閣 2018年
・「AIの法律」 福岡真之介編 商事法務 2020年
・「AIと憲法」山本龍彦編 日経新聞出版 2018年
・「AI倫理」 西垣 通他著 中公新書 2019年
・「AIの時代と法」 小塚壮一郎著 岩波新書 2019年
・「AIと社会と法」 宍戸常寿他編 有斐閣 2020年
・「AIで変わる法と社会」 宇佐美誠編 岩波書店 2020年
・「AI・ロボットと共存の倫理」 西垣通編 岩波書店 2022年
・「AI・データ倫理の教科書」 福岡真之介著 弘文堂 2022年
・「AIの経済学」 鶴 光太郎著 日本評論社 2021年
・「AI白書 2023」AI白書編集委員会編 角川アスキー総合研究所 2023年
・「AIガバナンス入門」羽深宏樹著 ハヤカワ新書 2023年年
・「生成AIの論点」喜連川 優編 青弓社 2024年
・「AIと著作権」上野達弘他著 勁草書房 2024年
・「責任あるAIとルール」 古川直裕他著 金融財政事情 2024年
・情報通信白書 総務省 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/"

【関連分野・関連科目】

 

【備考】

 

【添付ファイル1】
【添付ファイル2】
【添付ファイル3】
【リンク】