エクスペリエンス評価演習 〜ウェブサイトのユーザーエクスペリエンス調査〜
本演習では、ウェブサイトを対象として、ユーザーによる実際の利用場面を想定したエクスペリエンス評価をおこなう。具体的には、まず評価の対象とするウェブサイトを各自で選定し、その特徴(デザイン面でのいい点や課題点)を整理するとともに、どのようなユーザーエクスペリエンスをどのように評価したいかという調査の目的を定める。そのもとで、エクスペリエンス評価の方法と手順を決定し、受講学生を対象に評価データを集め、得られた評価データを分析する(グラフの作成や統計的なデータ分析など)。最後に、評価データの分析結果と考察にもとづいたデザイン改良のアイデアをまとめることで、ユーザーエクスペリエンス評価の一連のプロセスを演習形式で体験する。
エクスペリエンスデザインにおいて重要な位置を占めるユーザー体験の評価について、調査・分析・フィードバックというサイクルを演習を通して実際に経験し、デザインおよびユーザーエクスペリエンスの評価を客観的な調査データにもとづいて進める楽しさを理解することを目標とする。ユーザー調査を自分で計画・実施するとともに、他の学生のユーザー調査に回答者として参加することで、エクスペリエンス評価の初歩的な経験を得ることを目指す。また、自分で集めた評価データを対象に統計的なデータ分析をおこない、得られた結果を表やグラフで視覚化することも経験する。
"(1)イントロダクション、評価対象ウェブサイトの選定1(2)評価対象ウェブサイトの選定2(3)何をどのように評価するか1(評価対象ウェブサイトの課題点の整理)(4)何をどのように評価するか2(調査の目的・目標の設定)(5)評価方法の立案と選定(質問項目等の作成)(6)中間発表1(進捗状況の報告と今後の計画)(7)中間発表2(進捗状況の報告と今後の計画)(8)評価データの収集1(エクスペリエンス評価の実施)(9)評価データの収集2(エクスペリエンス評価の実施)(10)評価データの分析1(11)評価データの分析2、発表用スライドの作成(12)最終発表1(演習成果のまとめと発表)(13)最終発表2(演習成果のまとめと発表)(14)最終成果レポートの作成 "
毎週の演習課題に取り組むために必要なエクスペリエンス評価に関する知識や方法について演習時間内に説明をおこなう。その説明をもとに毎回の演習時間内で与えられる課題に対して各自で演習作業を進め(毎週のレポート課題の提出)、中間発表、最終発表をおこない、学期末に最終成果レポートをまとめる。
最終成績は授業参加度(出席)および毎週の演習課題の提出状況と中間発表、最終発表、最終成果レポートの得点を総合的に考慮して評価する。
"たとえば、『UXデザインの教科書』安藤昌也(著),丸善出版,2016.『心理学マニュアル観察法』中澤潤,大野木裕明,南博文(編),北大路書房,1997.『心理学マニュアル質問紙法』鎌原雅彦,宮下一博,大野木裕明,中澤潤(編),北大路書房,1998.『心理学マニュアル面接法』保坂亨,中澤潤,大野木裕明(編),北大路書房,2000.など。"
エクスペリエンス評価で用いる具体的な手法については講義「ユーザ・エクスペリエンス評価」においてくわしく説明する。また評価データの分析にあたっては「情報連携のための確率・統計学1, 2」などの講義の基礎的な内容を理解していることが望ましい。