ICT社会応用論E/ビジネス・インキュベーション論Ⅳ
担当者 阪本 泰男(サカモト ヤスオ)
年度 2025授業コード 1F10298101 科目ナンバリング
対象年次 2~4 授業形態 講義 実施形態 対面
時間割 秋火3 開講キャンパス 赤羽台(INIAD) 教室 3114教室
単位数 2 主たる使用言語 日本語 実務教員科目
授業科目区分
授業回数
受講対象学科
【サブタイトル】

「サイバー社会」展望のため、社会経済システムの基本的枠組みを学ぶ。(「サイバー社会制度論入門」)

【講義の目的・内容】

IoT、5G、AIなどの情報通信技術の著しい発達により、サイバー空間が拡大し、サイバー空間とリアル空間の融合やグローバル化の進展など、今までの人類が経験したことのない新たな社会経済システムが構築されようとしている。我々は、どのような「サイバー社会」を構築すれば良いのであろうか、あるいはどのように対応、行動すれば良いのであろうか?その方策を模索するためには、まず、現在の社会経済システムを構築している制度や政策の基本的な考え方を学び、それを基礎として新たな「サイバー社会」のシステムを考えることが重要である。様々なプロジェクトを検討する場合にも、常に社会経済との関係を考える必要がある。この講義を通じて、現在の社会経済の基本的な仕組み(制度・政策など)を理解することにより、「サイバー社会」を展望することが可能となる。また、「サイバー社会」に対応したプロジェクトを検討・推進するための制度・政策に関する基礎的な知識を得ることを目的とする。なお、この講義では、現在の社会経済の基本的な仕組みを入門編として分かりやすく説明するとともに、外部有識者による最新のICT動向を学ぶ機会を設けるので、さまざまな分野のテーマやプロジェクトを自由に自主的に学ぶ能力を獲得することを期待しています。

【学修到達目標】

"(1)社会経済の基本的仕組みと課題を説明できる。
(2)特定の分野に関して、現在の社会経済の仕組みを踏まえ、サイバー社会の新しい仕組みを提案できる。
(3)推進したいと考えているプロジェクトとサイバー社会の新たな仕組みとの関係を提案できる。"

【講義スケジュール】

"第一回 授業案内/情報とは何か(情報入門)
情報・コミュニケーションとは何か、情報・コミュニケーションの文明史的な意義、情報・コミュニケーションを分析するための基本的なフレームワークについて学ぶ。

第二回 情報倫理とは何か(情報倫理入門)
人間が情報を用いて社会を形成するために必要とされる一般的な行動規範について学ぶ。倫理学の代表的な功利主義、義務倫理学、社会契約論、徳倫理学などについて学ぶ。また、フロリディ教授の情報圏(インフォスフィア)などについて学ぶ。

第三回 社会経済システムを構成するものは何か(社会経済システム入門)
国家とは何か、民主主義とは何か、情報と民主主義、三権分立など現在の社会経済システムを構築している基本的な原理について学ぶ。

第四回 法律はどのように作るか、作られているか(法学入門)
法律とは何か、法律はどのように作られているか、法律を作るための基本的考え方、表現の自由、通信の秘密など「情報法」の基礎となる考え方などを学ぶ。

第五回 政策はどのように作るか、作られているか(政策論入門)
政策とは何か、政策はどのように作られているのか、政策を作るための基本的考え方、「情報通信政策」の基本的考え方などを学ぶ。

第六回 経済の仕組みは(経済学入門)
経済とは何か、ネットワーク外部性、情報の不完全性と経済現象、プラットフォーマーに対する規律などデジタルエコノミーに関係する経済の基本的な考え方を学ぶ。

第七回 グローバル化とは(その1)(総論)(国際入門①)
国際法とは、国際機関とは、国際交渉の仕方、ICTに関する国連、ITU、G7、G20などにおける議論、各国のICT政策の比較分析、各国がサイバー空間でシームレスに繋がった場合の課題と対応の基本的な考え方について学ぶ。

第八回 グローバル化とは(その2)(各論)(国際入門②)
インターネットガバナンスの基本的な仕組み、ガバナンスを巡る議論などインターネットガバナンスの基本的な考え方を学ぶ。「Code is Law」の基本的考え方、サイバー空間におけるアーキテクチャーの重要性、新たなガバナンスモデルの基本的な考え方について学ぶ。フェイクニュース、フィルターバブルなど新たな課題について学ぶ。

第九回 ICTの利活用と社会的課題の解決(社会課題入門)
我々は、グローバルには、地球環境問題、貧困・飢餓の克服、ジェンダー平等などに代表されるSDGsやCOVID-19の克服、国内的にも、少子高齢化、地域活性化など様々な社会的課題に直面している。これらの社会的課題をICTのポテンシャルを活用して、どのように解決できるか、基本的な考え方を学ぶ。

第十回 AIネット社会の展望(AI入門)
現在の社会経済システムや法制度は、AIの発達を想定していない。AI開発原則の議論などAIが発達した時にどのような社会経済システムを構築すべきか課題や論点について学ぶ。

第十一回 サイバー社会実現に向けた取組①
外部有識者から、地球環境問題、サーキュラーエコノミーなどについて学ぶ。

第十二回 サイバー社会実現に向けた取組②
外部有識者から、最新のICT産業論などについて学ぶ。

第十三回 サイバー社会実現に向けた取組③
外部有識者から、ベンチャー企業論などについて学ぶ。

第十四回 生徒プレゼンテーション/ラップアップ
第1回から第13回までの内容に関する課題を提示するので、テーマに関するプレゼンテーション資料を作成し、発表を行う。発表内容に関する討議を行う。
"

【指導方法】

"この授業は講義形式で行いますが、インタラクティブな授業を目指します。質疑や意見交換の時間を出来る限り多く設けます。
授業で使用する資料と授業の前後に取り組む課題(詳細は【事前・事後学修】を参照)は、INIAD MOOCsで配信します。
授業中に質問、コメントなどある場合は、Slackを積極的に活用して下さい。
授業計画は、サイバー社会を展望する視点から、現在の社会経済の基本的な仕組みを学ぶため、政治学、倫理学、法学、経済学、社会学、情報学などの基本的な考え方(入門編)を学ぶとともに、外部有識者から最新のICT動向が学べるように構成されています。
授業中あるいは、授業終了後に毎回課題を出しますので、レポートを提出して下さい。
毎回のレポートとは別に、授業期間中に、予め課題を提示しますので、2回の「特別レポート」を提出して下さい。2回の特別レポートの内一つを第14回の生徒プレゼンテーションで発表、あるいは、クラス全体で討議を行い、思考を深める機会とする。(どちらの方法で行うかは、今後検討する)
課題・特別レポートとは、別に、自由に授業の感想・要望などを記述して下さい。"

【事前・事後学修】

"事前学習では、INIAD MOOCsで配信される授業用資料を確認し、不明な概念、用語などを調べたり、質問項目などを考えて下さい(30分程度)。
事後学習では、授業の内容を振り返って、授業資料を再度確認するとともに、関係する資料を学習するなどして、課題レポートを作成し、自分の考えをまとめて下さい。(90分程度)"

【成績評価の方法・基準】

"成績は、①授業への参加状況と各回の課題レポート、②2回の「特別レポート」により評価を行います。
①5回以上欠席した場合、及び②「特別レポート」を1回も提出しない場合は、単位を取得することができません。
授業への参加・理解度(70%)、2回の「特別レポート」(各15%)に基づいて評点を算出します。
成績は、東洋大学の成績評価基準に準拠します。

(授業への参画について)
各回の課題レポートの内容に応じて、評価します。
授業への参画の程度に応じて、評価します。
授業中に発言すると加点します。
各授業の終了後に授業についての感想、コメントを提出して下さい。"

【受講要件】

特になし。

【テキスト】

INIAD MOOCsで配信する資料を使います。

【参考書】

"・ルチアーノ・フロリディ著 「情報の哲学のために」勁草書房 2021
・品川哲彦著 「倫理学入門」中公新書、2020
・村田潔他編 「情報倫理入門」ミネルヴァ書房 2021
・中央大学国際情報学部編 「国際情報学入門」ミネルヴァ書房 2020
・坂村 健 著 「DXとは何か」角川新書 2021
・宍戸常寿他編 「法学入門」有斐閣 2021
・伊藤元重著 「入門経済学第4版」日本評論社 2018
・伊藤元重著 「ネットニュースではわからない本当の日本経済入門」東洋経済新報社
        2021
・蟹江憲史著 「SDGs」中公新書 2020
・宍戸常寿他編著 「AIと社会と法」有斐閣、2020
・情報通信白書 総務省 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/"

【関連分野・関連科目】

ICT社会応用論A(コンピュータ・ネットワーク論Ⅱ)、ICT社会応用論B(コンピュータ・ネットワーク論Ⅳ)

【備考】

 

【添付ファイル1】
【添付ファイル2】
【添付ファイル3】
【リンク】