データ・サイエンス論B/データ・サイエンス論Ⅱ
担当者 本多 泰理(ホンダ ヒロタダ)、佐野 崇(サノ タカシ)
年度 2026授業コード 1F10281101 科目ナンバリング
対象年次 2~4 授業形態 講義 実施形態 対面
時間割 春金3 開講キャンパス 赤羽台(INIAD) 教室 講義室
単位数 2 主たる使用言語 日本語 実務教員科目
授業科目区分
授業回数
受講対象学科
【サブタイトル】

不完全データの統計解析

【講義の目的・内容】

本講義では、実験データや調査データを対象とした統計分析において、データに欠損や時間打ち切りが存在する場合の統計的処理手法を学ぶ。具体的には、
①欠損等を含むいわゆる「不完全データ」と呼ばれるものにはどのようなものがあるのか、
②「不完全データ」に接した際、どのような場合にどのような対処をする必要があるのか
の2点について、理論とコーディングの両面から学ぶ。また、欠測データに遭遇した際に、適切に対処できるようになる。

本講義では、理論面では、序盤に確率・条件付き期待値の厳密な定義を測度論的立場から与えるとともに、これら概念と関数解析との接点についても触れる。これによりその後の多変量確率分布、ベイズ統計の考え方の円滑な理解を促す。その上で、尤度ベースの解析法と代入法を中心に不完全データの統計分析手法を解説するとともに、その実装のキーとなる幾つかのアルゴリズムの解説を行う。サンプルデータの分析に際しては手計算に加え、pythonとRを用いる。手を動かしながら、実務で使える分析スキルの習得と理解の促進を目指す。

【学修到達目標】

(1)不完全データに接した際、そのデータの種類に応じて、統計的に適切な対処法を説明することができる。
(2)正規分布等の基本的な分布を前提として、不完全データに対してEMアルゴリズムを用いて最尤推定を行うことができる。
(3)いくつかの種類の不完全データに対して、多重代入法を用いた統計分析(検定、回帰等)を行うことができる。

【講義スケジュール】

本講義は、第1回と第15回をオンデマンド形式で実施する。

第1回 不完全データとは、その統計解析とは【オンデマンド】(※時期は最初の1週間を想定。オンデマンド回のリンク等詳細はSlackやmoocs等で別途連絡する。)
第2回 確率論入門(確率、確率変数、条件付き期待値の定義)
第3回 最尤推定の復習、多変量確率分布
第4回 ベイズ統計の考え方
第5回 EMアルゴリズムとMCMC、ギブスサンプリング
第6回 一変量不完全データに対する尤度ベースの解析のモデルと定式化、無視可能性
第7回 一変量不完全データに対する尤度ベースの解析の具体例
第8回 前半のまとめ(中間試験と振り返り)
第9回 二変量不完全データに対する尤度ベースの解析の考え方
第10回 二変量不完全データに対する尤度ベースの解析:Sweep operatorおよびEMアルゴリズム
第11回 代入法とは
第12回 多重代入法の基礎
第13回 多重代入法の応用(平均の検定と単回帰分析)
第14回 多重代入法の応用(重回帰分析、Hot Deck、ロジスティック回帰)
第15回 後半のまとめ【オンデマンド】(※時期は最後の1週間を想定。オンデマンド回のリンク等詳細はSlackやmoocs等で別途連絡する。)

【指導方法】

座学を中心に行う。ただし、適宜ToyoNet-ACEのドリルを用いて演習の機会を設ける。また、レポート機能を用いて課題提出を求める場合がある。授業で使用する資料およびサンプルデータとサンプルコードは、MOOCSおよびToyoNet-ACEもしくはその一方を用いて配信する。オンデマンド回については、Slackを通じて質問に対応する。

【事前・事後学修】

資料、サンプルコードを用いて事前学習を行って頂きたい。また授業後は、課された課題および資料、サンプルコードを用いた復習を行って頂きたい。学習時間目安:事前学習90分、事後学習60分程度。

【成績評価の方法・基準】

試験(中間含む複数回)の結果、課題の提出状況、受講態度に基づき総合的に判定する。
およその目安は以下:試験および理解度小テスト:約75%、課題提出:約20%、講義への積極的な取り組み等:約5%

【受講要件】

以下の科目のいずれかを受講済みであることが望ましい。
「データサイエンス基礎」「データサイエンス演習I/II」「情報連携のための確率・統計学I/II」
それ以外の場合は、特に以下の項目について自習し、着実に理解していることを強く推奨する:
・ベイズの定理
・最尤推定

【テキスト】

テキストは使用しない。配布資料を使用。

【参考書】

R.A.Little and D.B.Rubin, "Statistical Analysis with Missing Data", Wiley
岩崎学:「不完全データの統計解析」(エコノミスト社)
高井・星野・野間「欠測データの統計科学」(岩波書店)

【関連分野・関連科目】

「データサイエンス基礎」
「データサイエンス演習I/II」
「情報連携のための確率・統計学I/II」

【備考】

オンデマンド回の詳細は別途Slack,moocs等でアナウンスする。

【添付ファイル1】
【添付ファイル2】
【添付ファイル3】
【リンク】

https://moocs.iniad.org/courses/2025/INI206/ 

<本学の授業について>
 本学では、13週の通常授業期間内で13回の通常授業及び、その他に2回分のオンデマンド授業等を開講する形態を採用しています。各回の教室内授業は90分で実施され、合計15回分の授業時間を担保する講義スケジュールを基本としています。
※一部科目では、授業期間、授業回数および授業形態等が異なる場合がありますので、授業の詳細はシラバス等で必ず確認してください。

[注]
 教員の指導のもとで、事前・事後学習を含めて1単位45時間の学修時間を担保することが求められます。
 なお、本学では、大学設置基準等の法令に基づき、年間35週以上の授業日程(学年暦)を定め、通常授業期間のほかに、T-Weeksにおける特別授業期間、夏季・春季セッション期間における集中授業等を実施する授業日程としております。