【サブタイトル】 |
メディアとしてのからだ |
【講義の目的・内容】 |
からだは、もっとも原初的なコミュニケーションメディアである。対面しての会話、歌唱、演劇など、ことばを伴う場合だけでなく、顔の表情、身ぶり手ぶり、ダンス、スポーツなど、ことばを伴わない場合も、からだによるコミュニケーションは行われる。身体コミュニケーションとは、このように人間が器具、機械を基本的に用いず、自分の身体(肉体)をメディアとして用いて何らかのメッセージを表現、伝達する行為を意味している。講義の目的は、身体コミュニケーションおよび身体系メディアについての基本的な知識を学習し、さらに研究を続ける契機となるような問題意識を獲得することにある。 講義の内容は、まず、身体系メディアの種類と身体コミュニケーション論の研究領域を概観する。次に、デジタルテクノロジーとコンピュータネットワークが発達し、ヴァーチャルリアリティ(仮想現実)の威力が増す現代社会において、身体コミュニケーションにどのような意義があるのか、いかに重要なのかを検討する。その上で、各論として(a)メディアとしてのダンス、(b)電子化と身体、ノンバーバルコミュニケションについて順次学習する。 |
【学修到達目標】 |
(1)身体コミュニケーションとは何かを理解し、多様な身体系メディアを適切に類別できるようになる。〔認知〕 (2)ノンバーバルコミュニケーションとは何かを理解し、その特性を説明できるようになる。〔認知〕 (3)パフォーミングアートをコミュニケーションメディアとして理解し、身体コミュニケーション論の視点から舞台作品を鑑賞、批評できるようになる。〔態度〕 (4)コミュニケーションメディアのデジタル化とネットワーク化が身体コミュニケーションに与える影響を議論できるようになる。〔技能〕 |
【講義スケジュール】 |
【第1回】授業オリエンテーション シラバスに基づき、本講義の目的、授業運営の方針、成績の評価基準について説明する。さらに5回の提出課題の内容とスケジュールを説明する。 【第2回】メディアとしての身体(1)〜身体系メディアとは何か メディアの4系列を確認し、身体系メディアの定義を学ぶ。 【第3回】メディアとしての身体(2)〜身体系メディアの類型 身体系メディアの詳しい分類と具体的な事例について学ぶ。 【第4回】メディアとしての身体(3)〜身体コミュニケーション論の意義 メディア環境の変化と身体系メディアの関係、さらに社会変容と身体系メディアの関係について学ぶ。 【第5回】メディアとしてのダンス(1)〜ダンスの多様性 ダンスの多様性について、歴史的・地理的な差異、技法的な差異から学ぶ。 【第6回】メディアとしてのダンス(2)〜ダンスが伝えるもの ダンスが伝えるメッセージの階層性、芸術の抽象化、ブレヒトの異化効果などについて学ぶ。 【第7回】メディアとしてのダンス(3)〜バレエ アーティスティックなダンスとしてのバレエについて、その歴史や技法的な特徴と様式美について学ぶ。 【第8回】メディアとしてのダンス(4)〜コンテンポラリーダンスと舞踊芸術の特異性 アーティスティックなダンスとしてのコンテンポラリーダンスについて学び、さらにダンスの芸術としての特異性について学ぶ。 【第9回】メディアとしてのダンス(5)〜外部講師招聘による特別講義 ダンスの領域でプロフェッショナルな活動をしている外部講師の講義を聴講し、メディアとしてのダンスについての学びを深める。 【第10回】電子化と身体(1)〜メディアによる身体観の変容 視覚メディアと身体感覚の変容について学ぶ。 【第11回】電子化と身体(2)〜CG・VFX・仮想現実感 CG・VFXで作る仮想の身体について学ぶ。 【第12回】電子化と身体(3)〜ロボット・バイオ・ナノテクノロジー 情報技術による身体感覚および死生観の変容について学ぶ。 【第13回】ノンバーバルコミュニケーション(1)〜非言語的要因の多様性 ノンバーバルコミュニケーションの特徴とコミュニケーションにおける非言語的要因の多様性について学ぶ。 【第14回】ノンバーバルコミュニケーション(2)〜ジェスチャー、視線、身体接触 メディアとしてのジェスチャー、視線、身体接触について学ぶ。 【第15回】ノンバーバルコミュニケーション(3)〜対人空間、パラランゲージ メディアとしての対人空間、パラランゲージについて学ぶ。さらにノンバーバルコミュニケーションの社会学として、シンボリック相互作用論などの存在を知る。 以上は予定であり、学生の興味関心や研究の最新動向などによるフィードバックをもとに変更される。 |
【指導方法】 |
1.授業は基本的に講義形式である。非対面授業(メディア)授業で実施する場合は、遠隔授業(同時双方向型授業)と課題配信学習(オンデマンド型授業)を組み合わせる。授業資料の配布及び講義は、ToyoNet-ACE、Webex Meetingsを利用する。 2.毎回ToyoNet-ACEで事前に配付資料を公開するので、学生は自分で必ず印刷して授業に持参する。また資料のほとんどは穴埋め形式なので、授業に参加しないと完成しない。 3.ノートを取ることを求める。 4.スライド(MS PowerPoint)や映像資料を用いる。特に舞台映像の鑑賞を頻繁に行う予定。しかし、授業で用いたスライドや映像資料を学生へ電子ファイルで提供することはしない。 5.レポートは、課題と期限を授業中に発表し、指定した形式(紙または電子ファイル)で提出することを求める。 6.Toyonet-ACEを出欠確認、資料配付、課題提出、リフレクション・ペーパーのために用いる。 |
【事前・事後学修】 |
事前学習として、前回までの授業内容についてノートと配付資料を用いて復習し、実践的に活用できるよう理解すること。 事後学習として、授業内容に関わる読書体験やパフォーミングアートなどの鑑賞体験を重ねて、身体コミュニケーションについての考察を深めること。 事前・事後学習は、読書体験・鑑賞体験を除いて毎週合計2時間を目安に行うこと。それ以外に、読書体験・鑑賞体験を積み上げるよう努めること。 |
【成績評価の方法・基準】 |
授業の冒頭に実施する小テスト(35%)、レポート(50%)、授業参加度・授業態度(15%)で評価する。小テストは、ToyoNet-ACEの「小テスト」を使って実施する。レポートは、期限を決めて数回行い、ToyoNet-ACEの「レポート」へ提出する。期限後に提出されたレポートは減点対象となるので注意すること。授業開始時に毎回出欠確認を行う。 評価は「東洋大学成績評価基準」に準拠する。 |
【受講要件】 |
特に定めない。 |
【テキスト】 |
使用しない。毎回プリントを配布し、さらに授業用ホームページで情報提供を行う。 |
【参考書】 |
授業時および授業用ホームページで適宜紹介する。(http://bibliognost.net/umino) あわせて推薦公演(演劇、ミュージカル、ダンスなど)、推薦映像(映画、DVDなど)も紹介する。 |
【関連分野・関連科目】 |
メディアコミュニケーション学特講C(メディアとアート)、メディアコミュニケーション学特講D(メディアとエンターテインメント)、情報と言語、人間-機械コミュニケーション論 |
【備考】 |
|
【添付ファイル1】 |
英文シラバス_身体コミュニケーション論.docx
|
【添付ファイル2】 |
【添付ファイル3】 |
【リンク】 |
http://bibliognost.net/umino/
|